雪情
第3章 村の伝説
【雪男ー1】


田崎の署は、
田崎が今居る雪山とは
ほど遠い街の中に
位置する。







「明日の時効までに
犯人を捜してくる」






と一言田崎は言い、
署を出たままである。







当然連絡一つもないので

皆心配している。








「どうしたんですかね、
田崎さん」






と田崎の
一番の部下・内藤は言う







部下と言っても、
田崎は
この部署内の中でも
年齢が高い方なので、
ほとんどが
部下のようで、
田崎を慕ってくれている







要は人望が厚いのだ。






その中でも
内藤は新人だが
田崎を異常なほど慕って
くれて、

田崎自身も
一番信頼している部下
なのである。







課長が心配そうに
内藤に聞いた。







「いくら何でも
遅すぎるな………

あの田崎君が
連絡をしない
なんてことは、
今までなかったしな。

どこに行ったまま
行方が分からなくなった
のかね?」







「この村を調べてみると
言ったままですが……」






そう言いながら
内藤は田崎の印した
地図を見せる。






あの村の場所が
赤ペンで丸く書かれて
いる。







「この村は………」






課長は
顔を引きつりながら
言った
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