傷、のちに愛
5:遡るように



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高校三年の夏。

私は、好きな人がいた。

背の高い、さわやかな笑顔が印象的だった。

夏休み最後の日、彼の方から告白された。

私は有頂天だった。

そのあと、毎日学校で一緒に勉強した。
毎日一緒に帰った。

幸せだった。

幸せだった。

あの日までは、幸せだった。









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