僕はいつでもキミの傍に
5 鈴村 誠

……ああ、なんでこんな事に。

このクソ暑い炎天下の下、目的の人物が出てくるのをただひたすら待ち続ける。

さっき買ってきたばかりのはずの缶ジュースは、すでに生温かくなってしまっていた。

……それにしても、どうも調子がでねェ。

いつも仕事の時は必ず着る様にしていた灰色のジャンパーがないせいで、イマイチ調子が上がらない。

チッと小さく舌打ちをして生温いジュースを飲み干すと、手にしたままの写真を眺めた。

そこには十歳ほどの可愛らしい女の子が写っている。

……でも、やっぱりアイツだった。

写真を見つめたまま、あの時の女子高生の事を思い出す。

近くで確認して、やはりこの写真の少女があの女子高生であったと確信した。
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