ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
Page2※文化祭は喜劇の恋の始まりだ?!
【kie※side】



文化祭の準備が着々と進められていく、秋。



あたしは結局、衣装係をやることになった。



「鮎沢さん、後この仕上げの部分お願いしてもいい?」

「うん、分かった」



クラスメートとは、今だに壁があるまんま。



あたしにその壁を壊す気がないんだから、当然っちゃ当然。



向こうから壊してくれる物好きなんて、そうそういるものではない。



あたしもそれを望んでる。



だけどここは動物園。



物好きがいたっておかしくない。



「あ、いた!」



……あ。



「橋野が安全ピン借りてこいって」



犬みたいな子だ。



「安全ピン?」

「ウン」



彼は、その“物好き”だと思う。



「あ、これ小人の衣装だー」



自分衣装が嬉しいのか、目を輝かせながらそれを見つめている。



「これ、安全ピン…」



て、まだ見つめてる!



< 13 / 606 >

この作品をシェア

pagetop