濡れた体温ごと奪って
第十一章 温まる心と体温


結局担がれたまま翔ちゃんの部屋へ帰って来てしまった。


私をボフッとソファーへ座らせバスタオルを頭に被せてくれた。




「お前のお袋、お前が不自然に出てったと心配してたぞ」


「…お母さんが連絡したんだ」


「…事情も聞いた」




事情…。


お母さんがプロポーズを受けるって事だよね…。


翔ちゃん聞いたんだ。




「俺が納得できねぇんだから、お前は尚更納得できねぇよな」




翔ちゃんは上着を脱いで上半身裸になりバスタオルで頭を拭きながら隣りへ腰を下ろした。



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