光る道
第四章

友との再会

最近、仕事が忙しい。



新しい入院患者さんも増え、病棟のスタッフもバタバタしていた。





私は昨日入院してきた患者さんの部屋へ入り、




「失礼します。こんにちは。検温に来ました。」




と、笑顔で体温計を渡した。




「夕ちゃん?・・・」




学生時代の呼び名で呼ばれ、改めて患者さんの顔を見る。




「…由香?」




「そうだよ! 久しぶり! 元気そうだね、夕ちゃん。」



「わー! びっくりしたー。 ほんと久しぶりだね! 高校卒業以来だよね? 名前変わってたから、すぐ分からなかったよー!」



私たちは、ここが病室であることも、患者と看護師という立場であることも忘れて、再会を喜びあった。




佐々木由香。



高校時代の友達。その当時は仲良しグループで、一緒にご飯を食べたりしていた。



でも親友というほどの間柄ではなく、卒業後に連絡をとることは、なかった。



約十年ぶりにあった友人…

すぐに分からなかったのは、名字が変わっていたからだけでは、なかった。



彼女は昔の面影が全くないほど、ゲッソリとやせていた・・・




< 40 / 228 >

この作品をシェア

pagetop