キミと、世界の果てまで。
Scene5 消えていく誇り



まるで、小説のページをパラパラと捲っているだけみたい。


あっという間に過ぎていった、今年の夏休みの感想だ。




「って、バ寛司!アンタのせいで学校遅刻しそうじゃないのー!」



「遅刻したのは俺じゃねぇ!どっかの居候だって!」



「しょうがなくね?俺、カンジの宿題やってあげてたんだから」




そう大声で叫びながら、学校までの道のりを爆走する高校生三人組は、近所の人達からすると、きっと迷惑極まりないだろう。


九月の朝は、相変わらず暑い。


タオルを首に掛けたままの状態で、あたしは新学期早々、遅刻かギリギリセーフかの境目を彷徨っていた。




「新学期早々遅刻なんて、絶対にイヤーっ!」




レンが、寛司の従兄弟としてあたし達二年生のクラスに編入してから、すぐに夏休みに入った。


夏休みは、愛海ちゃんと隣町まで遠出したり、寛司と終わらない宿題と格闘したり、あっという間に過ぎていった。


異世界から来たレンは、地球で勉強している事がちっとも理解出来ないらしく、魔法を使って宿題を終わらせたみたいだけど。



…ズルい。




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