ぼくの太陽 きみの星

9.開かれた扉

もう11時も過ぎたかな……。

12時ごろになってるかもしれない。


怒りにまかせて飛び出したのはいいけど、部屋着だし裸足だし、何も持ってないしで、


しかも……



(ここ、どこ?)



帰る道さえわからない。

そのまま帰る気なんてなかったけど。


街灯も少なく暗い、ちょっと古い住宅街だった。

人も車も通らない。



(ちょっと怖いかも……誰か通ったらどうしよう)



そのとき、前からタクシーが来て、すれ違っていった。

と思うと、ガチャっとドアが開いて、派手な格好の女の人が飛び出してきた。


ぱんぱんに盛り上がった胸の谷間を強調した、露出度のとんでもなく高い服に、超ミニスカ。

踏まれたら穴が開きそうなピンヒール。


……水商売の人?
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