オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

はい?


今、『バカ』って聞こえたような気がしましたけど?


呆然としてるあたしに向かい暴言を吐いた男は、確かに、美形な部類に入る造形美だった。


身長はいくつかわかんないけれど、すらりとした長身に見える。


体つきは筋肉質というわけでもなく、寧ろ線が細い気がした。

だけど、頼りない感じじゃなく、むしろ鍛えられたために適度に筋肉が付いて引き締まってるって感じ。


足に履いてるのはサンダル?
どっかで見たようなのは気のせい?

首から肩には表は黒で裏は赤色のリバーシブルなマントをざっくりと巻きつけて。

あたしが見たことがあるどんな男の人よりも端正な顔だちだった。


だけどその顔には、あたしをバカにしたような笑みが張りついているような気がしますが。


「おい、うすらぼんやりしてるそこのデク女。そこにいると邪魔なんだよ。ぼおっとしてないで、とっとと下がってろ!このバカ!」


はい、今度は聞き間違いじゃないですね?


一度にたくさんの失礼な事を言ってくださいましたわね、目の前のこの男は。
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