ラビリンスの回廊

ファーストコンタクト



翌日。

玲奈は結局、昨夜はエマに言われるがまま、話のあとに食事をとり、ベッドへ横になったらすぐさま寝てしまった。


ノックの音で目覚めた玲奈は、エマが入ってくるまで一瞬自分がどこにいるのかわからなかった。


エマの顔を見て、昨日のことを思い出す。


カラカラと軽快な音を立てて、食事を載せたワゴンを運ぶエマ。


少し固めのパンのようなものと、水、それから小さなフルーツの盛り合わせ。


少しうんざりした顔で、玲奈はエマに向かって声を掛けた。


「なぁ……昨日から思ってたんだけどさ……
あんたらみんな、こんなもん食ってんの?」


そう言いながら、パンをちぎって口へ放り込む。

その様子を、エマは傍らに立ちながら、チラリと横目で見やった。


「禊ですから」


「みそぎ……?」


眉をひそめる玲奈に、「身を浄めるためです」と言い直す。


わかったようなわからないような顔をしながら、玲奈はパンを噛みちぎった。


< 25 / 263 >

この作品をシェア

pagetop