オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
黒猫とナギと力と
1
草の擦れる音は絶え間なく流れるが、激しい雨音にかき消されていた。
冷たく激しい雨は小さな身体を容赦なく打ち、重く強ばるそれの体温を奪い冷やしてゆく。
それでも、小さな身体は走りつづけねばならなかった。
あの人のために。
足の裏に鋭い痛みが走った。
何かが刺さったのかもしれない。
それでも、傷を手当している時間など惜しみ、小さな身体は再び疾走する。
大切なモノを、届けなければいけないから。
茨で身体じゅうにひっかき傷が出来るが、そんな事は少しも構わない。
あの人のことを考えれば。
これを持ってゆけば、きっと喜んでくれるはずだから。
あの人が居るはずの場所にたどり着く通過点、大きな獅子岩が見えたとき、彼は安堵した。
これで、彼にコレを。
そう考えた瞬間だった。
頭に鈍い痛みが走り、それが絶え間なく繰り返される。
彼はそれでも
あの人に届けなければいけないと思ったモノは
決して離すことはなかった。
冷たく激しい雨は小さな身体を容赦なく打ち、重く強ばるそれの体温を奪い冷やしてゆく。
それでも、小さな身体は走りつづけねばならなかった。
あの人のために。
足の裏に鋭い痛みが走った。
何かが刺さったのかもしれない。
それでも、傷を手当している時間など惜しみ、小さな身体は再び疾走する。
大切なモノを、届けなければいけないから。
茨で身体じゅうにひっかき傷が出来るが、そんな事は少しも構わない。
あの人のことを考えれば。
これを持ってゆけば、きっと喜んでくれるはずだから。
あの人が居るはずの場所にたどり着く通過点、大きな獅子岩が見えたとき、彼は安堵した。
これで、彼にコレを。
そう考えた瞬間だった。
頭に鈍い痛みが走り、それが絶え間なく繰り返される。
彼はそれでも
あの人に届けなければいけないと思ったモノは
決して離すことはなかった。