オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】

あたしたちがお昼を食べたのが3時過ぎだから、マモル君が博君を誘って水遊びを始めたのが4時になるかならないか。


それから1時間くらい経つけど、2人ともまだ見つけられてないみたい。

夕陽は西に殆ど沈みきって紫色の雲があかね色と溶け合って綺麗。

東の空は紫紺の夜空がゆっくり染め上げて、一番星も光ってた。


だけど、園内ではまばゆいくらいのライトアップや照明で、そんな暗さはまったく気にならない。

照明が映り揺らめく水面を、あたしはちらりと見てみた。

この池の言い伝え、七色の石。


それを見つけて肌身離さず持ってれば、必ず願いが叶うっていう。


あたしもまんざらそういうのは嫌いじゃない。


池の水深は子どもが溺れないよう、30cmくらいになるって聴いた。


あたしはサンダルをとストッキングを脱いで裸足になると、そのまま池に近づいて脚の指をそうっとつけてみた。


思ったよりも冷たくなくて、むしろ気持ちいい。

10月でも今日はかなり気温が上がったから、あたしは少しだけ涼を求めて池の中に入っていった。
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