キミの隣に

キス

せっかく来たから、
ちょっと練習でもするかと、
空室を借りる。


わーい♪
グランドピアノだ♪


ピアノで歌うの好きなんだ


今でこそ、
透達とアンプラグドを
やってるけど、
元々ジャズが好きで、
今の透位の年には
ジャムセッションに
参加していた。

キーを一通り調べ終わって、
細かい音と譜割を
確認していると、
防音室の入口のハンドルが
音をたてた。

やばっ?!
長居しすぎたっ?!

思わず、音がした方向をみると
鷹尾センセがいた。

「よおっ。」

よおって・・・

「どーぞ、続けて。
俺も御手並み拝見に来たから。
ちょうど、次のコマ
空きだからさ。」

「いや、始めたとこだから無理
私、100回はやんないと
安定しないんだよね。」

「100回やる?」

目を丸くした彼をみて、
一瞬で把握する。

・・・エロいこと、
考えたでしょっ?!

練習!って、
いいかけた言葉を断って、
彼は人の悪い笑みを浮かべる。

「歌ね。
セックスかと思った。」

「歌に決まってんでしょっ。」

・・・このオッサンわ。


 

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