キミの隣に

名前と合い鍵と、順番と

 


『樹里』


真月に呼ばれた瞬間、
焦りまくった。


何で、知ってんだよ?!

女の子みたいな名前で
好きじゃなくて・・・。
出来れば、人に
しられたくない。

って、ずっと思ってたから。


でも、真月の唇から零れた音は
心地よくって

あんな風にキスのトラップまで
仕掛けられて

何にも言えなく
なってしまった。


そもそも、自分のほうが、 
彼女に触れたくて・・・
近づきたくて・・・


今日だって
堂野さんに、
真月に触られたくなくて。

嫉妬から、生徒の前で、
あんなひどく近い距離感を、
とってしまって。


あれは
確実に俺の嫉妬だった。

彼女が困るとか、
考えられない位。


なのに
真月は・・・


彼女の唇は甘くて。

なに考えてんのか
わからなくて。



透の言った
二年前にあったという
俺へのキョーミは
まだ
あるんだろうか?

深くなってるんだろうか?


それとも

あっさり、
なくなってんのかな。


 

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