危険中毒

GAME LEVEL 1

 
ーーーリディアーーーー



リディアーーー



「リディア!」

揺さぶる手。

低く響く男の声。

私を呼ぶ貴方は誰・・・?


声の主を確認する為に、
私は瞼を開けた。

ああ・・確かこの男は。

「ムーン・・・?

私、寝てた?」

『ムーン』
この男のコードネーム。
とても発音しにくい音だ。

「ああ。おまえ、
相当いい根性してるな。
たいてい、この部屋に来たら、
恐怖で縮みあがるってのに。」

相変わらず、口の悪い男。

そうとはいっても、
出会ったのは昨日の事だ。

鮮やかな金髪に
青い瞳・・・
黙って立っていれば、
申し分のない、
イイオトコなのに。

彼は、ロクデモない奴だ。

私は、スカウトされた。

クラブで踊り疲れて、
レストルームに行こうとして、
待ち伏せしていたムーンに、
声をかけられた。


「お前も、不完全燃焼な
生き方をしているタイプだな。
濃厚に生きたいだろ?
一緒にくるか?」


 
< 10 / 352 >

この作品をシェア

pagetop