危険中毒

LEVEL 2

 

顔の至る所が
青アザになって、
ズキズキと
痛みが追ってくる。


彼女の眠るベッドに
腰掛けて、
さすがにうなだれる。


守るつもりが・・・

キズつけた。


取り替えしが
つかないほどに。


親代わりに、
彼女を育ててきたアイツに
殴られるのは、当然だ。

そうしてくれて、
俺は、救われたと
思ってる。


さもなくば、俺は、
もっと、
自分を攻めてるだろう。


推定でも、
自分より一回りは
年下の・・・
彼女の頬には、
無残な真新しいキズが
残っている。


泣き腫らした瞳。


恐怖で開ききった瞳孔。


空気を裂くような絶叫は
抱えた腕のなかから
俺の全身を切り裂いて
空間を、緋色に染めあげた。



いやああああああああああああああああああ!!!!



恐怖と痛みに怯え切り
発狂した彼女は・・・

動きを封じていた俺の腕に
爪を立てて、意識を飛ばした。



左半分の顔は、血染めで。
涙とあらゆる粘液で、
全身に血が付着している。

覚悟していた以上に、
早く訪れた苦悶と後悔に
掻きむしる様に、
頭を抱き堪えた。




 
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