危険中毒

LEVEL 6

 


『モニカ、愛してる』



そう、

ゴウが言ってくれた。

かすれた声で。


獣化する直前に。


その瞬間、私の中で、
何かが繋がった。

モニカが
自分自身であること。

マックスに、
何かの計画に
引きずり込まれた事。


そして、私に、
リディアという
某省庁官僚の娘の
経歴を刷り込み、
情婦として、サタンに
斡旋しようとした事。


リディアの経歴は、
本当に自分自身のモノの様に、
リアルに書き込まれている。

注意しなければ、
自分の経歴だと、
本気で信じこんでしまうほどに
入念かつ、丹念に
上書かれている。


あの時、マックスが見せた
私の死亡届けは、
おそらくリディアのモノと
すりかえられたのだろう。

こんな事は、想像にたやすい。


今更、
何で、
私なのよ・・・?


利用される事に、
納得がいかない
自分がいる。

だけど、どんな形であれ
ジニーの傍に
居られるだけでいいと、
焦がれる自分もいる。


何より

・・・危険に

身を投じたい
自分がいる。


より、キツイ作戦に
身を投じたい。


ヤバイ薬の様だ。


 
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