マイスィートアフタヌーン
Talk The TIME
1.
ドアを開けば、メアリーアンの姿を見つけた。
居場所の情報を得ようと寄ったはずの店の、ドアをつかんだまましばし佇む。
ヤードを出て行ったときの慌しさから推察し、必ずどこかを飛び回っているものだと思っていたため、こうも簡単に出会えてしまえば拍子抜けもしてしまう。
間もなく夕刻に差しかかろうという頃、店内はごった返していた。
勤務帰りの者、出勤途中の者、仕事は山積みいつ終わるともしれない中途の者たちが、ごちゃ混ぜである。
フリート街に程近いここでは当然、半数近くはジャーナル関係だ。
見ればそれとわかる者も多い、なのでフレディは二、三の顔見知りに会釈をし、テーブルへの誘いを辞退する弁解をしなくてはならなかった。