『縛』

/偶然 その2

つないだ手の理由を、
公言した時、サラは、
なにも言わなかった。


それは、俺に
恥をかかさない為なのかも
しれない。


鼻っから、
俺の言うことなんて、
相手にしてないからかも
しれない。


でも、俺にしたら、
あんなに、気になってて
偶然会えたんだから。

離したくないって、
思うじゃん。

ましてや、サラは、
俺を拒んでる。


正しくは、俺だけじゃなく
全ての人を・・・
なんだけど・・・


コイツは、何かから、
逃げてる。


そのくせ、寂しがりやで。


対処の仕方も、しらない。



そんな奴を、
一人になんてできない。


俺がゆうのも
なんだけど・・・


サラは、


大人に成りきれてない。


俺は、サラを
一人にはしない。


そう思ったら、
手をつないでいたくなった。



態度で示したいというか
サラの身体に
覚えさせたいと思った。


ひとりじゃないって。




ところが、彼女は、
かつての知り合いだったからか
山本には、あっさり心を
許した風で。


かなり腹立たしい。


そう思ったら、
その感情すら、
サラに知らしめていた。



 
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