丸腰デパート・イケメン保安課

主任の風邪

9月です。

残暑です。


残りの暑さと言い表すには暑すぎます。


保安課勤務も早半年に入り、今日も修羅場へと出勤する私…。

私って意外と根性あるんだと感動すらするこの頃です。


早朝、保安課のドアへと手をかけた私は、中から聞こえる大きな物音に瞳を細めた。

主任だ…また今日も何かをしでかしている!

毎日その予想は、ドアを開けた瞬間から現実へと変わる。

ああ…今日もまた、普通じゃないツッコミの一日が始まるんだ…。


深いため息の後、勢いよくドアを開けた。

「主任!!また朝から何の筋トレやって………?」

アレ?主任じゃないぞ?

暴れていたのは、逃げたハムスターの龍王を捕まえ様としている昴さんと栗田さんだった。

…また逃げたのかよ。

「おっはよ!桜田ちゃん!」
「…はい、お早う…ございます」

何か拍子抜けしちゃったな…。
絶対に主任かと思ったのに。

別に期待してる訳じゃないけどっ!!

でもなぜか、オフィスに主任の姿を探してる自分がいるの!
嫌っ!違うからっ!

…ってか、主任居ないじゃん。

遅刻は…無いね!
1番が好きだって理由だけで、早朝出勤する単純な人だもん。
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