丸腰デパート・イケメン保安課

背負った十字架

「更科さん!いい天気だし、仕事切り上げて河原でラジコン飛ばしましょう!」

某有名大学卒業後、何を考えたのか突然刑事になりたいと試験を受けた笙は、24歳の春から、とある警察署の刑事課へと配属されていた。


東グループの次男坊、変わり者の超イケメンお坊ちゃま。

女性には大人気だったが…。

そんなレッテルを貼られていた笙の指導者となったのは、同じ様に変わり者とされていた更科であった。

「お前なぁ?何でラジコンなんだ?」

検挙率は高いが強引な捜査をする事から、更科は上司からけむたがられている存在だった。

だが、元々周りの評価等を気にしない、ましてや噂等は信じない笙は、更科を慕い指導を受けていた。

「天気がいいからラジコン!」
「雨なら何になるんだ?」
「雨ならすごろくです!」
「馬鹿だなぁ?お前本当に有名大学出てんのかよ」

更科は笑った。

更科にとっても笙は、かわいい後輩という存在だった。

「まぁ、ラジコンも悪くないがな。今は張り込み中だろ」
「もう面倒なので突入しちゃいましょう!」
「面倒って何だよ?!お前刑事だろ?!地道と忍耐と言う言葉を知れ!」


笙は、刑事課でも相変わらずだった。
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