ヴァンパイアの花嫁 番外編②

アシーネの姉

あどけない天使のような顔でティナは眠っている。



ベッドの端に腰をかけ淡いブロンドの髪をゆっくり梳くと、絹糸のような感触が指を通り抜ける。



レオンが眠らせてから3時間ほど経ったがまだ起きそうもないくらいに深い眠りについている。



急いで帰ってきてみれば部屋には誰もいなくティナの血の香りを追って行くともう少しで危ない場面に出くわしたのだ。



もう少しでティナはあの忌まわしい獣に頭を食いちぎられていた所だ。



お前は私に心配ばかりかける。



レオンが眉宇をかすかに顰めた時、静かに扉が叩かれた。



レオンは眠っているティナを見てから扉に近づいた。



ティナの眠りを妨げないように静かに重い扉を開けるとタイラーが立っていた。