さぁ、跪いて快楽を乞え!

Six.

何でこんなにも金をかけたのだろうか? と考えられる門の傍に立つ守衛に、お疲れさん。と声をかける。

「おかえりなさいませ。薫様」

「橘は?」

「先に戻られています」

「そうか」

「今日はどうなされたのですか? 喧嘩でも?」

「……詮索するな」

「そう言われると詮索したくなるのが人の性(サガ)ですよ?」

「良いから早く門を開けろ」

「全く……少しくらい教えてくれても構わないじゃないですか」

「首飛ばすぞ」

と、俺が睨むと、守衛は肩を竦めた。

「おぉ、怖い怖い」
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