姫密桜

呼ばない

胸の奥、秘めた想いを

抱えていたのは

私だけじゃ無い。

槇と過す時間は、いつも
あっという間に終わる。

私が、お弁当箱を
手に持って
その場に立つと

槇が、私から
お弁当箱を取った。

「えっ」

「スカート、汚れてる」

「ほんとだぁ

 ありがとう」

私は、スカートの後ろを
パンパンとはらった。
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