ADULT CHILDREN
【第3章】

居場所


反抗と言っても大した事ができない私がまず始めにした反抗は
学校をサボる事。


母を完全に無視して家で一日中ダラダラと過ごす。


誰もいない家は想像以上に快適で
その時間だけは滅入りきっていた気も光が差し込んだように清々しく感じた。


だけど、1日中家にいると退屈で
よく昼寝をして普段から夜眠れないのというのに
余計眠れなくなっていった。


眠れない夜は友達に電話をかけて時間を潰す。

その日学校であった事を聞いたり、芸能人の話をしたり。
色んな話をした。



母がうるさい時は、ヘッドフォンをして大音量で音楽を聞き
嫌味を聞かないようにした。


学校に行かなくなってまだ日も浅い頃の事。



夜の12時過ぎに外から口笛の音がした。

まるで私を呼ぶかのように何度も何度も鳴り続ける口笛が気になって
自分の部屋のカーテンを開けて外を覗いた。



外灯の明かりがぽつりと燈された薄暗い中をよく見てみると
そこには見覚えのある人の姿があった。

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