爽やか王子と内気少女
話
「香!ごめん、先生に呼ばれてて、今日の当番ちょっと遅くなる!!」
弥生ちゃんが顔の前で両手を合わせて、私を申し訳なさそうに見つめた。
今日は図書委員の当番の日。
私と弥生ちゃんは図書室へ行かなければいけないのだが、どうやら弥生ちゃんは少し遅くなるらしい…
「いいよ!行っておいで。私は図書室で待ってるから」
笑いながら私が言うと、「終わったらすぐ行くから」と言葉を残して、弥生ちゃんが教室を出て行った。
小さく息を吐いて、私も図書室へ向かった。