プラチナの誘惑




結局真田さんの事を言う間もなく、プラチナ引換券の受け取りをする為に店内で待っている。

社長の知り合いが経営しているこの店は、質の高い石をたくさん取り扱っていて、専属のデザイナーの作る宝石達はかなりの評判。

雑誌やテレビでもよく取り上げられるのもあってか、いつも店内は混み合っている。

「こちらの引換券になります」

ぼんやりと綺麗な店内を眺めている私と昴の前に置かれた引換券。
カウンターの向こう側に立つ店員さんは、今回のパーティー用に特注した硝子製の引換券を置いて。

「毎年この硝子の引換券のデザインが楽しみなんですよ」

うふふと笑いながら軽くため息。

「今年のデザインは桜の花がモチーフになっていて可愛いですね」

昴と二人。

その硝子の引換券をじっくり見ると…。
名刺サイズの硝子一面に細かく刻まれた桜吹雪。
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