あたし、脱ぎます!《完》

再会




空を眺めながら、
頬付けを突く。


GWが近づくと、

彼氏がいる女の子同士で、
デートの予定を話し合うようになる。


一緒に
遊園地に行くとか、

水族館に行くとか、

映画に行くとか……。


話を耳にするたびに、

胸がギュッと締め付けられた。


そう。

あたしは
いつも淳平くんのことを

思い出してしまうのだ。


淳平くんは
あたしのメアドなんて、
消したかもしれない。

今頃、
楽しい大学生活を送り、

可愛い彼女を
見つけているかもしれない。


でも
あたしの淳平くんへの気持ちは
会えないのに、募って行く。


バスケットシューズが
あたしの気持ちを

切なくさせるのかな。



「どうしたの?

死にそうな顔しているよ?」



佳代が
あたしの顔を覗き込み、

心配そうに声をかける。


淳平くんのことを
思い出すと目頭が熱くなる。

我慢している証拠かな。


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