モテ男と地味子の初恋物語
不可解な感情

琢磨side

俺がパーシーを家に連れ帰ってから、一週間ほどが過ぎた。

圭介と廊下を歩いていたら、前から眼鏡を掛けた小柄な女子が、俯き気味に歩いて来ていた。雨宮紬だ。

俺が紬をジーッと見てると、彼女はチラッと俺の顔を見て、微かにお辞儀をしてすれ違って行った。

「ちょっと待てよ」

俺が紬の背中に向かって声を掛けると、紬は驚いたのか肩をピクっとさせ、恐る恐るという感じで俺を振り向いた。

ちなみに圭介も「何だ?」って感じで俺を見ていた。

「猫の事は忘れちゃったのか?」

俺はかなりキツイ顔をしてたと思う。なぜなら、あれから一週間、紬は俺に全く連絡して来なかったから。
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