愛しいわがまま。




――――……


タクシー代のおかげでお財布事情が心配になった私は、節約のためにも遥の家から歩いてた。


しかし、


「あー…もうヤダヤダ。」


今日の私はとことん運が悪かったらしい。



「さっきからご機嫌ナナメだね
なんかあったのー?」

「俺らと騒ごーよ♪」


また絡まれてます私。

それにしても、キャップ野郎と鼻ピ野郎の2人組なんてハズレにもほどがある。



「騒ぐ気分じゃないんでまたの機会に」


「んなこと言わずに遊ぼー♪」

「むしろ俺だけでもいいし♪」


「あ?何言ってのお前。
こんな美人独り占めなんて許さねぇぞ
そもそも最初に声かけたのは俺だ」

「わかってるってー。冗談だっつの」



……冗談じゃない。


「めんどくさいな、さっさどいて
てか気分悪いときに気分悪くなる顔見せないでよ」



私の言葉を聞いて、2人の表情は一気に厳しく変わった。


「……あぁ?なんだとこの女」

「なめてんじゃねーぞ!?」


先に殴りかかってきたのはキャップ野郎。




……っあ〜、もう。





――ドカッ


威勢がよかったわりには一発で倒れてしまった。


「お前よくもっ…」

そう言って向かってくる鼻ピ野郎には
回し蹴り…「――ぅぐッ」



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