【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

記憶のパネル・前編

真冬の平日。朝から俺ん家は華やかな凛とした声が響く。



「さっぶ!ないわー。肌がカサカサしちゃいそ。」



なんて言いながら、俺に飼わせたカシミア素材のマフラーを首に巻くヒノエさん。



「にしても、天気予報は晴れだったのに、急ですね。」



俺はカーテンの外の雪を睨む。一歩外に出たら、凍てつく風で一発KOされかねない。



俺は、今日に限っていつになく嫌な予感がしてたんだ。



「何してんの楓ちゃん。」



そう言って背中をバシっと叩くヒノエさんに、俺はこの間の魔王に教わったことを実践することにした。
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