Clear.

厄日





──────ガチャンッ





「 ・・・・ん 」





ガラスが割れるような
大きな音で、目が覚めた。
朦朧とする意識と
はっきりしない視界の中で
彼が割れたグラスを片付けていた。





「 ・・・・ッッてぇ 」





指を切ったのか、血が滲んだ手を
嫌味たっぷりの目で見て
大きな舌打ち。





「 指、大丈夫? 」





不意に口から出た言葉だった。





< 45 / 281 >

この作品をシェア

pagetop