姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

異変

学校帰りに病院に寄った所為で、
その日俺が帰宅したのは六時過ぎで、
家にはちゃんと姉さんがいるはずだった。

なのに、玄関に姉さんのローファーが無かった。


だから、あれっ?とは思った。

部屋に入ると、エリアルがいつもと同じくリビングにいた。

でも、やっぱり姉さんの姿は無い。

「お帰り、孝。
おお、ギプス大分薄くなったね。
もう松葉杖無しでいいんだ?

……あれ、小夜子は?」


「こっちのセリフだよ。
姉さん、まだ帰って来てないの?」


「ちょっと待った」
< 76 / 292 >

この作品をシェア

pagetop