プリンセスの条件
*お姫様の宣言
「そっかー、とうとう言っちゃったんだ、翔太くんに」
「……うん」
「で?翔太くんは何て?」
「……」
「付き合い始めたんじゃないの?」
「……違うと思う」
「えぇッ、どうなってんの!?」
ミサトが目を真ん丸に見開いてあたしを見る。
それはこっちが聞きたいよ……。
翔太に告白して1週間が経つ。
あの日、なぜか翔太まで大学をサボって、一日中2人してベッドの中で眠って過ごした。
翔太より先に目が覚めたあたしは、告白する前のように翔太に普通に接することができないんじゃないかって、不安でたまらなかったのに。
後から目覚めた翔太の第一声はこうだった。
『ん……。あれ?マイ、なんか顔……やつれた?』
翔太の寝顔を間近で見つめながら、胸をドキドキさせて最初の一言を探していたっていうのに。
あまりにもいつもと変わらなすぎる翔太の態度に、何も言えなかったんだ。
告白の答えを聞きたかったのに。
翔太はその夜、あたしの熱が下がったことを確認すると、
「じゃあな。まだ寝てろよ」
そう言って何事もなかったように自分のマンションに帰って行った。