プリンセスの条件
*お姫様の婚約
翔太と付き合い始めてちょうど1週間。
幼なじみから恋人になれるのかと悩んでいたのが嘘のように、あたしたちの交際は順調だった。
「マイ。1日早いけど、誕生日おめでとう!」
「ありがとうー!ミサトーッ!!」
誕生日の前日、12/23。
今日はミサトと一緒に、椿山荘でリッチにアフタヌーンティーを満喫していた。
プレゼントの包みを開けると、中にはパールがついたハート型のピアスが。
「可愛いッ!!」
「明日それつけてさ、翔太くんと熱い夜を過ごせば?」
むふふ、と笑うミサトの一言で、あたしの顔は一気に赤く熟す。
「あ、それともう1個あるんだった」
「え?」
はい、と渡された長方形の包みを開けて、思わず絶句。
「ちょっと!ミサト!?」
「だって大事でしょ?」
「そりゃそうだけど……」
「だって今のあんたたち、あまりにも熱ありすぎて、明日とか普通に子供できちゃいそうじゃん」
「で、できないよ!!」
恥ずかしすぎて、慌てて包みごとバッグの奥に押し込んだ。
ミサトの気遣いはとっても嬉しいけれど、本当にそんな心配、ないんだから……。
「マイ?」
「え……」
「どうかした?元気ないけど」
心配そうに見つめるミサトに、あたしは今の悩みをぶつけた。
「実はね、翔太が……あたしに触れようとしないの」