俺はお前だけの王子さま

白王子の欲しいもの

放課後

校舎の隅のバスケットゴール。


コンクリートにドリブルの音を響かせながらヒロキが言う。


「春馬、先生が今日委員の集まりって言ってたじゃん。行かなくていいわけ?」


「今日集まりあんだ?」


「はは。お前知っとけよ」


そういやそんなの聞いた気もする。


でも覚えてたとこで結局
行かない訳だし…


俺の前には
俺を抜こうとしてるヒロキ。


勝負は今んとこ3対3

次で決まる。


委員よりこっちのがよっぽど
大事なんだよね。


絶対勝つ。


「渡瀬さん怒ってんじゃない?」


「誰それ?」


「お前渡瀬さんは知っとこうよ」


そこでヒロキが
俺を一気に抜いた。


パサッ

そのままリングにボールを落とす。


「くっそ…お前喋りまくるの
卑怯だ」


「はいはい」


笑って俺の肩を叩くヒロキ。


むかつく。



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