姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

一人ぼっち二人

【エリアルサイド】


……孝がドアの前に立ちふさがっていたので、玄関は無理だった。

仕方がないから、
廊下の窓を開けてそこから外へ出た。


窓枠を蹴って空に飛び出すと、
風が全身を包むように吹く。

冬の空は黒い分、
星がくっきりと映るので好きだ。

寒さを苦痛とする感覚はマヒしていた。


冷静に考えて、セレナが小夜子を連れ去ったと思って,
間違いは無いだろう。

……それにしても腹立たしい。

一体、あの女はいつから自分を付け狙っていたのだか……。
< 97 / 292 >

この作品をシェア

pagetop