世界が終わる前に

壊れゆく日常、その始まり



「…――えっ?」



そんな頓狂な声を出したのは今日だけでももう一体、何度目なんだろう。



「だーかーらー、あんたを連れていくのが“今回の合コンの条件”って言われたの。……って言ってんだけど?」


「……条、件?」


「そう。……てか、さっきっから何回あたしに同じ事言わせんの?つーか……なんかあんたって頭良いのか悪いのか、マジでわかんないんだけど」



学校を出てからすぐに乗せられたのは、真っ赤な車体をした相田さん愛用の自転車……の後ろだった。


慣れない、初めての二人乗り。


こんなカタチで突如、訪れた初体験の相手が、まさかの相田さんになった事に私は何だかとても不思議な気分だった。



錆び付いた自転車の荷台に、贅肉の着いたふくよかな私のお尻が食い込んじゃってて、ちょっと……いやかなり痛いのを我慢しつつ。


ゆさゆさと左右に揺られながら交わす相田さんとの会話は、やっぱり私には理解不能なそれだった。


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