龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】

補習の後、友達二人とアイスクリームを食べに行った。

滝田美幸と大野亜由美

二人とも羽竜家の遠縁で、この町に来てから友達に。


「えっ? あんたって圭吾さんと寝てるの?」

美幸はいつでも核心をそのまま突いてくる。

「人聞き悪いこと言わないでよ。圭吾さんの部屋に泊っただけだってば。ベッドは別!」

たまたま今朝は一緒のベッドだったけど

「で、何にもなしの清い関係?」

「ダメかな?」

「ダメじゃないけど」と、いつも冷静でクールな亜由美。

「不自然よね」

やっぱり?

「じゃあ、自分のとこに部屋を移せばってお誘いは――つまり……そういう関係になろうってお誘いだと思う?」

「えっ? そうやって言われたの?」

だから、声でかいって美幸!

「本人に確かめたらいいんじゃない?」

ストロベリーアイスをなめながら亜由美が言う。

「ただ志鶴に目の届くところにいつもいてほしいだけかも。圭吾さんは余裕があるからいつまでも待てると思うけど」

「余裕? 何の?」

「圭吾さんに外堀しっかり埋められてるのに気づかないの? 圭吾さんはあんたと結婚するって周囲にはっきり意思表示してる。
他の男の子は誰も近づかないでしょ普通。
後はあんたがよそ見しないように大事に扱って、あんたが大人になるのを黙って待っていればいいだけ」


なんか わたしって柿の実みたい
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