龍とわたしと裏庭で②【夏休み編】

「彩名さん居留守なんてずるい」

アトリエでお仕事をしていた彩名さんに事の次第を話した。

「ごめんなさいね。あの人達には近寄らないようにしているの」

「本当に二週間もここにこもる気ですか?」

「去年もやったわ。
梓とはどうしても反りが合わなくて。
子供の頃ケンカして、ハサミで髪をバッサリ切られて以来ね」

わっ! 案外過激?

「それに圭吾が不機嫌になるから、家中ピリピリするし。何とかならないのかしら、あの仏頂面」


「僕のいないところで志鶴に余計な事を吹き込むなよ」


後ろから圭吾さんの声

どこから入ってきたかはあまり考えたくない

だって、わたしの正面側がドアだもの


「たまにはドアから入ってきてもかまわなくってよ」

彩名さんがからかうように言った。


「気にするな」


圭吾さんは空いてる椅子を引き寄せ、わたしの横に座った
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