AZZURRO

クーデター

雪乃はブレイクに言われた
クーデターを起こす日を明日に控え
朝から落ち着かなかった

落ち着かない原因は
ブレイクの言葉 

『クーデターが起こる前に
助けが来なければお前を抱く。』


想像しただけで
身震いする


確かにあの妖艶な雰囲気には
魅力的な何かを感じるけど


それよりも
たまに見せる深い悲しみの影…

優しいのか
冷酷非道なのか

よくつかめない男


何故私の声が聞こえたの…?


ブレイクの話を聞いてから
雪乃の頭の中は同じ事を考えていた


「あーーー!
イライラするっ!」


書庫と部屋を往復するだけの日々
最近はブレイクも側近たちも
雪乃のところに顔を出さない

クーデターが近いから忙しいのかもしれないけど
一日中だれとも話さないのは
あまりに苦痛で
病気になりそうだった


…でも
こんな風に一人が退屈なんて思ったの
初めてかもしれない…


雪乃の中で
少しずつ…でも確実に
何かが変わっていた
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