溺愛プリンス

王子からの贈り物





「はあ……」




少し薄暗い店内。
あたしはショーケースに肘をついて、今日何度目かの溜息をついた。




「はあああ」




ついでにもう一つ。
でも、何回、何十回……何万回してもしたりない。





その原因は……。


チラリと視線を上げた。
そして、いとも簡単に目が合う。



「……」

「志穂も食べるか?」








そう言って手にしていたおまんじゅうを掲げたのは……。



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