狂愛~狂うほどに君を~
第3章

哀と愛




『ん・・。千さん・・?』





ゆずが目覚めると隣に千はいなかった。





『痛ッ。』






下腹部に感じる鈍い痛み。



それがさっきまでのことが現実だったと告げる。





『まだ・・何も伝えてないのにッヒック・・うぅー・・。』





ゆずはこらえていた涙を流す。



もし、もう一度会えたなら



伝えようと決めたことがあった。



けれど、それは叶えられなかったのだ。



心の繋がりを何より大切にしたかったゆず。



それとは正反対のことが起こってしまった。



無理矢理繋がってしまった体。



何も伝えないまま。



ゆずは泣き疲れてまた眠りの世界へと落ちた。









< 65 / 181 >

この作品をシェア

pagetop