6 L O V E .




 何してんだろ、俺。




 「ねぇ…慎太郎、」


 目の前には、半年前に告られて付き合った彼女。ひどく泣きそうな顔をしている。




 「…あたしのこと、好きじゃなくなった?」






 あぁ、もう最悪。はっきり言えよ、俺!














 「ごめん。…ずっと忘れられない人がいるんだ」



 この言葉を言うのは初めてじゃない。いつだって俺はこうやって誰かを傷つける。


 「なにそれ…だったら最初から受け入れんな!馬鹿!最低!」




 同時に殴られた頬が痛い。走り去る彼女に、ホッとする。…こんな俺、死ねばいいのに。


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