Rose of blood *short story*

気付けば心の中に

自室で仕事の契約書に目を通していると、ドアがノックされレイドが姿を現した。



『任務のご報告に参りました』

『それで』

『無事に終了致しました』

『そうか』



目線は書類から外さず、レイドの言葉に答えていたが出ていく気配がしない為、俺は書類から目を外しレイドへ向けた。


さほど表情はないが、出て行かないということは何か言いたいことでもあるんだろう。



『何だ』

『ローズ・ファントムの事ですが…』

『あぁ』

『いつまであの状態にしておくおつもりですか』

『シエル・エメラルディアとの戦いの時までだ』

『…そうですか』



俺の言葉に納得したのかしていないのかは分からないが、レイドは頭を下げると部屋を出て行った。





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