あなた色に染まりたい

支える位置



ちょうど一時間後、インターフォンがなった。




「あんまり綺麗な部屋じゃないけど、入って」


「お邪魔します」




蓮は、物珍しそうにキョロキョロしながら、奥の部屋に入ってきた。




「なんか珍しいものでもある?」




なんだかその動きがかわいくて、つい聞いてしまった。




「いや……俺、女の部屋に入るの初めてだから、挙動不審になってんのかも」




と、ちょっぴり苦笑ぎみに話す。




「はは、挙動不審?でもなんか意外だね。蓮って女に慣れてそうな雰囲気があるから」




蓮はあたしのその言葉に、明らかに眉を潜めた。


もしかして、あたし嫌な言い方しちゃったかな。




「……ごめん。言い方悪かったかも」


「俺、女に慣れてねぇよ。見た目で判断してほしくねぇ」


「ごめんね」




蓮は凄く綺麗な目鼻立ちしてて、背も高いし、絶対にモテる。


きっと今までも、こうやって見た目だけで『慣れてる』とか言われて、傷付いてきたんだ。


見た目だけで判断されるって、嫌だよね。
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