狼様の愛のカタチ理論【番外編】

逆らえぬ!






――――――…
――――…



ガチャン、パリンッ―…

「…あっ」


翌朝、朝食を終わらせた私の手からお洒落なティーカップが落ちてそれが床に勢いよく叩きつけられ


それをみた左汰が慌てて私のもとに近寄って来た


「沙優様!大丈夫ですか!?」


「あ…う、うん…ごめん」


椅子から立ち上がりそれを触ろうとすると、左汰はそれを制して自ら欠片を拾っていく


「沙優様はいいですから、椅子にお座り下さい」

「あ…は…い。有り難う」


ペコリと謝り、ふらつく足取りで座ると左汰は屈んだまま私を見上げる


「今日は随分、お疲れみたいですが…」

「…?」

「もしや、また扇李のせいで眠れなかったんですか?」


「…あ」


左汰にそう言われて、私は無意識に苦笑いをする



< 28 / 121 >

この作品をシェア

pagetop