Tolie.

約束





「 一輝、って本名? 」




コクリと、彼が頷いたのを
横目で確認して
もう一度口を開いたとき




「 なんで1番かって? 」




ベッドに肘をついて
ダルそうにしていた一輝が
私が聞こうとしたことを
易々と当ててしまった。




「 喧嘩が、1番だからかなー 」




少し間をおいて返ってきた答えに
全身が固まった。




「 まー、そんだけじゃなくてさ
  龍とは幼馴染で1番の友達って
  言うのもあるし、色んな面で
  ”1番”だからかなー 」




”自分で言うのもアレだけど”
なんて彼は無邪気に笑うけど
やっぱり、どこか悲しそうだった。






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