秘密な彼氏

Chapter2

「つきあってください!」

屋上で告白なんて、ずいぶんとベタだなと思った。

目の前で頭を下げている同級生の男子を見下ろしながら、私は現実逃避をした。


そもそもの始まりは、お昼休みのことだった。

数人しか残っていない教室で、友達の美里とお昼ご飯の後のおしゃべりをしていた時だった。

「佐伯、男のご面会だぞー!」

クラスメイトの男子が大声で私を呼んだ後、そんなことを言った。

男のご面会?

視線を向けると、教室のドアのところに1人の男子がいた。

「あれって、中里くんじゃない?」
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