契約恋愛~思い出に溺れて~

契約


 いつの間にか一眠りしてしまったらしい。

隣を見れば達雄さんが無防備な顔と姿で眠っている。
時計は、深夜0時を回ったところだ。

下腹部に残る痛みに、再び後悔が襲ってくる。

ユウじゃない人に、抱かれてしまった。
自分も望んだとはいえ、酔いがさめてしまうと酷く汚い事をしてしまったような気になる。

私はベッドから降り、服を拾って浴室へ向かった。

石鹸の匂いをさせて帰るのは気が引けるけど、このままだと紗優の寝顔さえ見れないような気分だ。

せめて体を洗い流して、気持ちをリセットしたい。

水滴が体を伝って落ちる。
だけど洗っても洗ってももう落ちない。

一度してしまった過ちを失くすことなんてできないんだ。



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